【レビュー】ファイティング寿限無の感想

『己に付加価値をつけろ、名を売るのも落語家の仕事』
師匠・橘家龍太桜のことばを頼りに、自らの才能をボクシングに賭けた前座・橘家小竜。噺の方は半人前だが、目指すは世界チャンピオン。明朗快活活劇人情長編。

本屋で落語関連の書籍はないかと探していたところ、平積みされていた本書とばったり出会いました。
タイトルの「ファイティング寿限無」にすでにハテナ状態でしたが、帯の『落語家として有名になるためにプロボクサーに!?』を読んでさらにハテナですw
だいぶ迷いましたが、まぁ、話の種になるかなと買ってみたところ、まさかまさかのヒットでしたw
ストーリーは、前座の落語家・橘家小竜が師匠から「売れるためには落語以外の何かを身に付けろ!」とけしかけられてボクシングジムの門を叩くところから始まります。
ボクサーとして着実に力がつくほど、落語からは遠ざかってしまう。売れるための手段のボクシングのはずが世間からはボクサーとしてしか求められていない現実。ボクシングと落語の間で揺れる葛藤が丁寧に描かれており、『ノンフィクションでは?』と思うほどでしたw
ボクシングのシーンはかなり本格的です。練習についても試合についてもボクシング小説として読んでも問題ないくらい詳細です。
ひたむきな練習シーンとかは胸が熱くなりますね!
自分も何でもいいから他のことを考えられなくなるくらい一生懸命になってみたいです。
落語を題材にしておりますが、落語のシーンはあまりありませんw
ですが!
それを補って余りある師匠への愛が描かれております!
師匠の言葉に一喜一憂し、留守電が入っているだけで大喜び。師匠が体調を崩したらランニングコースを変えて毎日お見舞いに行く。
本書を読んでると、落語家ってのは落語が好きなだけじゃなくて、そもそも師匠が好きでその師匠のもとだからこそ落語家になりたいんだなーと感じました。
自分も師匠のこと慕ってるけど、留守電が入ってるだけでは喜ぶかどうか。。。
まぁ、師匠の番号知らないけどw
いろいろ書きましたが、最後に小竜が落語家なのにボクサーを目指したきっかけとなった師匠の言葉で締めたいと思います。
「己に付加価値をつけろ」
良い言葉ですね。『落語のできる言語聴覚士』は付加価値としては十分ですかね?w

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