最近、ニンテンドースイッチの『藤井聡太七段の将棋トレーニング』をやっていることもあり、将棋関連の書籍をついつい手に取ってしまいます。
詰め将棋や戦型の指南書を物色しているとラノベコーナーで『りゅうおうのおしごと!』という小説を発見!
試しに購入してみたところ・・・これが超絶面白い!
タイトル通り『竜王』がモチーフとされた本で、実際の棋戦や奨励会、将棋会の師弟関係が描かれています。
将棋をテーマとした読み物はたくさんありますが、『りゅうおうのおしごと!』は他の作品とはあきらかに一線を画していると思います。
その理由が、将棋部分の詳細な描写です!
主人公を『竜王』としていることで、戦型や戦術についての知識を弟子に教える視点で解説しているのです。
ライトにサラッと読むラノベにしては説明過多になりそうなところですが、むしろラノベだからこそマニアックに詰め込めているのかもしれません。実際、指南本を読んでも頭に入ってなかったことがスイスイ知識として蓄えられましたw
例えば・・・
先手はスタート時点から一手得してるから有利。
お互い角道を開けて先手が飛車先を付いたら後手に戦型の選択権を委ねる。
一手損角換わりは、後手が一手損することにより相手に攻めを強制させる戦法。
飛車先の歩をつくことで居飛車を明示する。
居飛車は矢倉系、角換わり系、空中戦(相掛かりや横歩取り)の3パターン。
振り飛車は中飛車、三間飛車、四間飛車、向かい飛車の4パターンがある。
穴熊は終盤に強い。物理的に王手が掛からないから受けではなく攻めに思考を集中できる。
振り飛車は基本、守りの戦法だが、ゴキゲン中飛車は先制の攻め将棋。
振り飛車の真骨頂は捌き。大駒もどんどん捌いていく。
駒落ち将棋にも定跡がある。
奨励会の終盤は二度ある。
将棋って、てっきりお互い自分の好きな戦型で戦っているのかと思ってましたが、そうじゃないんですね。誘導したり、避けたり、罠を張ったり・・・初手からとても考えてるんだなと感じました。
しかも、この小説は棋戦が舞台になることが多いのでその様子を描く観戦記者もたびたび登場します。
観戦記者という存在を知らなかったので、これからインタビュー記事とかを読むときに注目しそうです。
将棋の魅力の詰まった小説なので、将棋ファンには是非読んでほしいと思います。
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