ウィムッシュ!
GWに親子落語会の依頼が入る。
こども向けに演目を「平林」に決めるが、平林の名前を連呼する箇所をそのままやってもウケはいまいちだろうと考え、アナと雪の女王でお馴染みの『Let it go』のリズムに乗せて歌い上げることにした。
落語会当日、主催者さんや演者仲間、会場スタッフにLet it goのリズムでやるので手拍子をやってほしい旨お願いする。
2,3回手拍子の箇所を確認し、いざ本番。
ドドン。出囃子とともに高座に上がり、演目に入る。
「おにいさん、この封筒の宛名を読んでください!『たいらばやし』?ありがとうございます。」
道行く人に宛名を読んでもらうくだり。ここでいくつか名前が出た後に全部混ぜてLet it goになる。
「たいーらばやしー、たいーらばやしー」
パン。パン。
自分にしか聞こえないレベルで薄ーく手拍子が耳に入る。しかし手拍子の箇所はまだまだ先。
「おねえさん、この封筒の宛名を読んでください!『ひらりん』?ありがとうございます。」
「ひらりん、ひらりん、ひらりんりんー」
パン。パン。
やっぱり手拍子が薄く聞こえる。聞こえる場所からして袖にいる主催者さんが怪しい。。。
「おじいさん、この封筒の宛名を読んでください!『いちはちじゅうのもっくもく』?ありがとうございます。」
「いっはっちじゅうの、もっくもくー」
パン。パン。
下手を見る隙に袖に目を向ける。すると、下をうつむいてひっそり手拍子をしている
主催者さんが目に入る。
「おばあさん、この封筒の宛名を読んでください!『ひとつとやっつでとっきっき』?ありがとうございます。」
「ひとつとやっつで、とっきっきー」
パン。パン。
どんどん薄くなっていく手拍子。もう自分も注意を向けないと聞き取れないレベル。
「もうどれが合ってるかわからない!そうだ!全部言いながら歩けばいいんだ!せっかくだから皆の知っている曲に乗せて歌いながら言ってみよう。曲名はアナと雪の女王でLet it go」
曲名を言い終わったところで手拍子が始まる。
パン!パン!パン!パン!
手拍子の波はドンドン広がり、会場全体で手拍子が始まる。
「たいらーばやしーひらりんー・・・」
チラッと袖を見ると、あ!ここか!と得心した顔の主催者さんが目に映る。
いまさら!?
気付くの遅すぎだろ!
てか、むしろいままで良く一人で手拍子してたよ!!!
Let it goのおかげで大いに盛り上がり、万雷の拍手の中、高座は終了した。
落語会終演後、主催者さんが一言。
「歌の演出良かったよ。こどもたちも一緒になって歌ってたし。またお願いね!」
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今度は手拍子間違えないでくださいね!!!
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