オーダー「厚かましい要求」

仕事

ウィムッシュ!

「本日も打ち合わせにご協力くださりありがとうございます。」

 

zoomによる打ち合わせも回数を重ねるごとに自然に行えるようになってきた。

移動の手間がなく、交通費もかからず、データもその場でやり取りできるのでむしろ直接会う打ち合わせよりも便利かもしれない。

ただそんな便利なzoomにも欠点はある。

それは、家族に内容を聞かれるということだ。

 

「では、いつものように議事録を作成してメールで送信しますのでよろしくお願いします。」

「いつもありがとうございます。」

 

澄まし顔で自分と担当編集者の会話を横で聞いている妻。

一言も伝えていないのに何故か打ち合わせの日には必ず家に居る。

これが女の勘というやつなのか。

多少のやりにくさはあるが、打ち合わせの邪魔をしないので最近は放っておいている。

 

「そういえば、見本の部数を聞くのを忘れていました。先生は何部必要でしょうか?」

 

見本?

そういえば最初の打ち合わせで言われてたな。

えーと、自分用に1冊、協力者に各1冊ずつくらいでいいかな?

 

「かしこまりました。では、その部数をご用意いたします。」

 

すると、突然妻が横から乱入してくる。

 

「私の実家用にも1冊お願いします!」

 

ちょ!?

何言ってんの!

良い分けねぇだろ!

 

突然の闖入者に混乱しながらも、そこはさすが編集者。冷静に一言。

 

「では、奥様のご実家用に1冊追加ですね。先生のご実家用にはいかがしますか?」

もちろん追加に決まってんだろ!!!

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