オーダー「唯一人の失敗」

落語

ウィムッシュ!

1ヶ月ぶりの落語会。

仕事が忙しい時期は落語会のお誘いに参加できず、練習もままならないこともある。

1ヶ月開いただけで、今までどう高座に座っていたのかも忘れてしまうほど緊張し、お客さんのウケも良くないままサゲをむかえた。

高座の降り際、袖にいた先輩方に声をかける。

 

「今日のお客さん、硬いですw」

 

にこやかに頷き高座に上がる先輩を後にし、一人会場の外へと移動する。

タバコを吸いながら高座の反省をしていると、

 

「ワッw」

 

と、歓声が聞こえてくる。

急いで会場に戻ってみると、そこには弾けんばかりの笑い声が!!!

 

何があった!?

一体どういうことだ!?

 

先輩の落語にいつもと変わったところはない。

それなのにこの歓声。。。

自分がいない間に何かあったのか?

その後に続いた先輩もいつも通り。

だが、会場は大いに沸いている。

 

これはつまり

自分が下手だっただけじゃねぇか!

何がお客さんが硬いだよ!

完全に練習不足じゃねぇか!

 

帰り車内、明らかに自分だけ失敗し意気消沈していると先輩が次の高座の話を降ってくる。

 

「次は何の演目でやりますか?今日と同じ?」

「いや、今日の演目はウケが良くなかったのでちょっと。。。」

「そのとおりだねー。」

ちょっとは慰めろやぁー!!!

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