オーダー「先輩の落語会~ベテランの洗礼~」

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ウィムッシュ!

ズボン先輩の落語会当日。

依頼を受けてからメールによるアドバイスという名のいじめは続き、前日までしつこくもメールを頂戴していた。

そのため、気分はかなり怒りモードに近く、「とっておきの一番のネタ」というズボン先輩の注文を無視して今までどこにもかけたことのない新ネタを用意して挑むことに。

しかし、ズボン先輩のメールはいじめでもなんでもなく、本当に親身なアドバイスであることに開演してから気づく。

 

「ちょっとあなた!あなたが今日出演するみやのひろさん?」

開場の途端、最前列を陣取ったおばさまから声を掛けられる。

「あなたね、着物の着付けが全然なってないの!ちょっといらっしゃい!」

 

え!?

いきなり何が起きた!?

 

突然おばさまに絡まれ、呼び出しをくらう。

どうして良いかわからず先輩方に助けを求める視線を向けると

笑顔で控え室にご案内される。

 

ちょwww

待ってwww

どういうこと?

これどういうこと!?

 

控え室に入るや否や、おばさまから着物を脱がされながら叱責の嵐。

「あなた!どこで着物の着方を覚えたの?ネット!?はぁーこれだから今時の若者は!着物はね、こう!こう!こうやって着るのよ!」

「こう!」の言葉と共に帯をグイグイ締められる。

ようやく解放されたときには、立派な着物姿の自分がいた。

 

何だ?

いまの時間は何だったんだー!?

 

後で聞いたところによるとおばさまは着物の先生であり、自分の着物のだらしなさが常々気になっていたズボン先輩が仕組んでくれたとのこと。

そんな先輩の優しさに気づかず、いじめと誤解し数々のアドバイスを無視していただことが本当に恥ずかしい。

お礼としては足りないと思うけれど、渾身の落語を披露しよう。

 

自分の出番となり、気を入れ直して落語を演じる。

笑いも多く、かなりの手応えを感じ、ズボン先輩の顔にドロを塗らずに済んだことにホッと一安心しながら高座を降りたそのとき。

最前列にいた着物の先生の一人言が耳に入る。

 

「若いからって面白いわけじゃないのね。」

着付けも落語ももっと勉強してきますーーー!

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