【落語】初心者が聞いておくべき演目10選

落語

落語入門者・初心者に押さえておきたい演目を10個選びました。
誰しも一度は聞いたことがある有名な演目から年末の定番の大ネタまで。落語に興味をもっていただいたこの機会に是非お聞きになってみてください。

寿限無

落語の基本中の基本と言われる噺です。小学校の教科書に掲載されていたり、教育番組などで題材にされたりと子供のときから落語を知らなくても耳にすることの多い演目です。
とにかく子供に縁起のいい名前をつけてやりたい父親が、お寺の和尚さんから言われた名前を全部つけてしまったという噺。「じゅげむ、じゅげむ、ごこうのすりきれ・・・」と長い名前のやりとりが笑えます。

饅頭怖い

若い衆が集まって怖いものを話し合っていたが、そのうちの一人が「俺はなにが怖いって、まんじゅうが怖いんだ」と言い出して家に帰って寝てしまう。みんなでそいつの家にまんじゅうをなげこんでやろうと意地悪をする噺。でも、意地悪しようとしたほうが実は騙されていて。。。オチが有名ですね。

時そば

「一、二、三、四、五、六、七、八、おやじいま何時だい?」銭勘定で一銭ちょろまかしてしまうやつを見て、真似しようとするがうまくいかないもので(笑)。そばを食う仕種が見所です。

目黒のさんま

「目黒のさんま祭り」で有名な演目です。

殿様が目黒でたまたま食べたさんまを気に入り、親類の宴でさんまが食べたいと所望し家臣を悩ませてしまう。家臣は殿様の体に障らないようにと、さんまの脂を落とし骨を抜いて椀に入れてお出しするが、これが旨くもなんともない。さんまの仕入れ先は日本橋の魚河岸と言う家臣に対し、殿様が一言。
「それはいかん、さんまは目黒に限る」

粗忽長屋

そそっかしい人ばかりが登場する滑稽噺。
八五郎が浅草の観音様にお参りに行く途中、人だかりを見掛ける。どうやら行き倒れのようで、近付いて仏様の顔を見てみるとなんと隣に住む熊五郎にそっくり。
長屋に飛んで帰り、熊五郎に行き倒れのことを伝え、二人で現場にとって帰る。
熊五郎が仏様の顔を見ると、この仏様は間違いなく自分だと言い張り、身元を引き受ける。
サゲは、仏様を運びながら熊五郎がふと疑問に思った一言です。
「この仏様が俺だったら、こいつを運んでる俺はどこの誰なんだい?」

死神

名前の通り、死神が登場する恐ろしい怪談噺。
借金で首が回らなくなり、自殺を決意した男の前に死神が現れる。男は死神に医者になるように言われ、死神が消える呪文を教えられる。
試しに医者と名乗って床に臥せっている患者の元に行って呪文を唱えてみると、死神が消えて病気が治ってしまう。それから医者として多くの死神を消して患者を治していった。ある日、もう寿命がつきかけている患者の元に呼ばれる。寿命の場合は死神は消えないと教わっていたが、どうにか死神を騙して患者を元気にすることの成功する。
しかし、騙した代償として、患者の寿命と男の寿命を交換されてしまう。ロウソクの火が寿命を示していると言われて、男が自分のロウソクを見ると、もう燃え尽きる寸前で。。。

本当に背筋が凍る演目で、初めて聞いたときは衝撃的なサゲに震えが止まりませんでした。

ちりとてちん

NHKドラマのタイトルにもなった演目。
知ったかぶりをする知人に、腐った豆腐を「ちりとてちん」という名品だと言って食わせる話。知ったかぶりの知人は初めて聞いた名品にも関わらず大好物だと啖呵を切って、ちりとてちんを口一杯にほおばるが。。。
食べる仕草が実に面白い演目です。

芝浜

人情噺の名作。
腕は良いが酒癖が悪い亭主が仕事へ行ったと思ったら財布を拾って帰ってくる。結局仕事へは行かず、金はあるからと昼間から飲んで寝てしまう。真面目になって欲しいと女房が一芝居打ち、財布を無かったことにしてしまう。
自分の酒癖に呆れた亭主が改心して仕事に励むようになり、数年経ちようやくまともな生活が出来るようになる。そして、その年の大晦日、女房が一芝居打ったことを告白。あれ以来飲んでいなかった酒を亭主に勧めるが。。。

大晦日になると演じられることの多い演目です。亭主と女房のやり取りに涙がこぼれます。

子別れ

別れた女房が連れてった子供にばっかり遭遇する父親。
子供に今の暮らしを聞けば、女手一つでは辛い生活をおくっているとのこと。
父親は、自分に会ったことは内緒にしろと言い、小遣いを渡して翌日にいっしょに鰻を食べに行く約束をする。
子供は家に帰って、約束通り父親のことを内緒にしていたが、小遣いを見つかってしまう。
盗んだと勘違いした母親は子供を叱つける。叱られた子供はついに父親に会ったことをバラしてしまう。
翌日、母親は鰻を食べに行く子供のあとを付いていき、父親と再会する。
別れた後、お互いに思い切れていないのだと感じた父親と母親に子供が一言。

子別れは上・中・下と3部ありますが、なかでも「子別れ下」は心に染みます。

文七元結

仕事もせず博打ばかりやっている父親・長兵衛のもとに吉原遊郭から遣いが来て、娘が50両で身を売ったとのこと。
急いで遊郭に行くと、娘は50両で家庭を立て直してとのこと。長兵衛は遊郭と「来年の大晦日まで客は取らずに返済を待つ」と約束をかわす。
その帰り道、吾妻橋から身投げをしようとする若者・文七と出会う。訳を聞けば取引先からの帰り道に50両盗られたとのこと。長兵衛は娘が身を売って作った50両だが、若者を死なせるわけにはいかないと、50両を渡してその場を立ち去る。
文七が店へ帰ると、店には盗られたと思っていた50両が届けられている。どうやら取引先に忘れてきたらしい。
翌日、店の主人と文七が長兵衛の元へ50両を返しにやってくる。さらに長兵衛の心意気に主人が娘を身請けしてくれる。

これが縁でおひさと文七が夫婦となり、店を構えて元結を売り出したところ、江戸で大評判の店となった。文七元結というお話です。

ドラマ「赤めだか」で立川談春が演じているシーンもある人情噺の定番です。
しっかり演じると1時間もある演目でかなり聞き応えがあります。

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