ウィムッシュ!
本の出版について打ち合わせが始まった。
「釈迦に説法ではございますが、言語聴覚士という仕事は話すこと、聞くこと、食べることのリハビリテーション医療職として位置されていまして・・・」
まず、編集者から企画書の説明が始まる。言語聴覚士に言語聴覚士の説明をするなんて中々ハードな仕事を淡々とやってのける編集者にちょっと感心。
てか、『釈迦に説法』ってことわざリアルに使ってる人初めて見た。
若干言語聴覚士の認識が違うところもある気がするが、大人しく編集者の説明に耳を傾ける。
「次に構成案は、資料のような章立てを考えています。」
構成案に目を向けると・・・なるほど。これはまずい。
ピンポイントで説明を求める章が多く、率直に読みにくい。てか、そんなマイノリティな部分を何十ページも書けない。
もっと大まかに章立てて、小項目で細分化を図った方が自由度が高く、なにより分かりやすいと思う。
そもそも内容に面白さを感じない。
率直にそうと伝えてみる。
「なるほど!例えばどのような内容なら書けそうですか?ふむふむ。。。良いですね!もっと変えたほうがよい箇所はありますか?」
お?意外に意見を素直に聞いてくれるんだ。これならもうちょっと踏み込んでもいいかな?
さらに調子に乗ってあれこれ意見を出してみる。
すると編集者から思いもよらない言葉が飛び出す。
「素晴らしいです!では、その案をベースに先生の方で構成案を作成いただけますでしょうか?締め切りは2週間後でいかがでしょう?」
あれ!?
何故かこっちが構成案を作ることになってない!!?
調子に乗ってしゃべりすぎた!
どうにか仕事が回ってこないようにポジションな意見からネガティブな意見に思考を切り替え、いざ忙しいアピールを仕掛けようと思った最中、編集者が一言。
「素晴らしいご意見ばかりで大変勉強になりました。先生のお書きになる文章は本当に魅力的ですので、構成案も楽しみにしております。」
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楽しみに待ってろよコノヤロー!!!
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